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2013年10月

2013年10月11日 (金)

照明器具の四つの不当表示は、企業の社会的責任欠如の証し

照明器具事業者は、
① LEDの寿命4万時間の取扱い
② 蛍光灯照明器具の重要規規格:明るさと消費効率
③ 調色時のLED照明器具の明るさ
④ 省エネラベリング制度の省エネルギー基準達成率とエネルギー消費効率
など、消費者に対し照明器具の性能を正しく表記せず、正常な規格や表記に改めることもなく事業を行っています。
以上4項目について、事業者等の現状を下記にて報告します。
皆さんも、事業者に踊らされることなく、照明器具の性能を定量的に分析し、照明器具を選択しましょう。
そして、皆さんも以上について事業者等に改善を要望しましょう。

1. LEDの寿命4万時間の取扱い
  LED製品の出始めの頃は、「LED、高価で省エネ、長寿命」でしたが、
   今では、「購入者、いつま でも明るいと思うなLED」です。
 我々消費者は、製造・販売事業者に「40,000時間」の数字で踊らされています。
 具体的な例として、或る会社のLEDシーリングライトの広告を紹介しましょう。
 広告の内容は、「LEDランプの寿命は40,000時間、長寿命のLEDシーリングライトです。1日10
 時間の点灯で約10年交換不要です。」です。(≒40000/(365×10)
 この会社は、実用的使用可能時間は寿命時間よりも短いのにも拘わらず、10年も交換せずに使える
 と広告しているのです。別の云い方をすれば、男性の寿命80歳と元気に快適に働ける年齢は同じで
 あると云っているようなものです。
 この会社の10年交換不要は、他社製品より優れていると印象を消費者に与え、明らかに景品類及び
 不当表示法第4条に抵触すると思います。
  (注:画期的なLED用樹脂でも開発しない限り、10年交換不要は不可能です。)
 この40,000時間は照明器具の明るさ(全光束)が光束維持率70%になる時間で、明るさは点灯時間
 と共に徐々に低下して、40,000時間目には30%も暗くなっているのです。
 この30%減の明るさは、実用的な明るさであるとは云えません。
 この明るさのレベルは 4.5畳用照明器具を8畳の部屋で使用するような明るさです。交換しなければ、
 暗くて使用出来ものでありません。
 使用する側からすれば、40,000時間は寿命であって、実用的使用可能時間は10畳で15,000
 時間位~8畳で18,000時間位だと思っています。
  (注:実用的使用可能時間とは、「暗めの明るさ」になるまでの時間で、全光束が時間に対しリニア
     で低下すると仮定し算出した時間です。)。
 寿命と実用的使用可能時間に大きな差があるのですから、事業者は、『40,000時間の頃 でも点灯し
 ますが、初期の明るさの30%も暗くなりますよ。「暗めの明るさ(注)」の明るさでも必要でしたら、
 「何回かはLEDではなく照明器具そのものの交換が必要となります。』と啓蒙・説明・表記し、寿命時
 間と実用使用可能時間を規格や広告等で明確に使い分けるべきです。
  (注:「暗めの明るさ」とは、畳数によって異なりますが、4.5畳では標準定格光束の82%~10畳では
     89%~14畳では91%です。部屋の広さと共に率が低下します。下表[明るさのレ  ベル(シー
     リング器具)]を参照して下さい。)

                      [明るさのレベル(シーリング器具)]Photo_2

                          [明るさの減衰と交換回数]
  照明器具の明るさ(全光束)が、点灯時間に対して直線的に低下して行くと仮定した場合
  (注:全光束の減衰曲線が、公開されていないので直線的減衰と仮定) 
  H=(100-L)×40,000÷30
  L=100ー(30×H÷40,000)
  但し、H=点灯時間
       L=標準定格光束に対する明るさ(全光束)の率(%)
  A)8畳用
    a)暗めの明るさ(3,300/3,800=86.8%)になる迄の点灯時間は、17,600時間です。
        交換回数〓40,000÷17,600≒2.3回
      b)30%減の明るさ(2,660lm) は、4.5畳用を8畳の部屋で使用するような明るさ。
  B)10畳用
      a)暗めの明るさ(3,900/4,400〓88.6%)になる迄の点灯時間は、15,200時間です。
          交換回数=40,000÷15,200≒2.6回、
      b)30%減の明るさ(3,080lm)は、6畳用を10畳の部屋で使用するような明るさ。

                                                                                    [参考]
  LEDの寿命時間は、光束維持率が70%になる時間と定義されています。
  蛍光灯の寿命は光束維持率70%となる時間で、寿命時間は6,000時間~2,1000時間です。
  条件が同じでないと比較できませんから、LEDも蛍光灯に合せて70%としています。
  それでは、蛍光灯は何故70%なのでしょう。光束維持率=70%の時点で、蛍光灯がちらつき、部分
  発光、黒化などが発生し使用出来ない状態になりますので、70%としています。

2. 蛍光灯照明器具の重要規格:明るさと消費効率
  家電用電気・電子機器の省エネ化で、省エネラベリング制度(JIS C 9901:2000 平成12年8月20
  日制定)が平成12年に導入されました。
  表記すべきラベリング項目は
  ① 省エネ性マーク、
  ② 目標年度、
  ③ 省エネルギー基準達成率、
  ④ エネルギー消費効率
  の4項目ですが、この業界の事業者は、その中にある「エネルギー消費効率」をそのまま蛍光灯照明
  器具の規格にしてしまいました。
  これにより、蛍光灯照明器具の規格は、
  ① 全光束〓装着する蛍光灯の全光束(lm) 
  ② エネルギー消費効率(lm/W)=「装着する蛍光灯の全光束(lm)」/「照明器具の消費電力(W)」 とな
        っています。
  省エネルギーラベリング制度で定めているエネルギー消費効率は、省エネルギー基準達成率を算出
  するためのものであって、照明器具のエネルギー消費効率ではないのです。
  上項①、②から解るように、照明器具の全光束ではなく、装着する蛍光灯の全光束を使用していま
  すから蛍光灯を天井から紐でぶら下げて点灯したときの状態に近い使用での規格なのです。
    このような方法で照明器具を使用する人はどこにいますか。世界広し云えども、いないでしょう。
  全く実用的な規格ではないのです。
  蛍光灯照明器具は照明器具なのですから、事業者は照明器具としての規格を定めて省エネラベリ
   ング制度にある省エネラベリング項目と共に併記すべきなのです。
    ですから、
  蛍光灯の全光束に基づく規格を表記されても、購入者には全く役にはたたないのです。
  蛍光灯照明器具も、LED照明器具も、用途は同じですから、併記すべき規格項目および規格条件
    は、LED照明器具と同一にすべきものであり(統一化すべき)、変える必要は全くありません。
   (注:何故、変えたのか理由はよく分りませんが、
      ①光源を照明器具から外すことができるかどうか、
      ②照明器具のデザイン等の影響を排除するためではないかと思います。)
  照明器具としてあるべき規格は
  ① 全光束〓蛍光灯照明器具の全光束(lm)
  ② 固有エネルギー消費効率(lm/W)=「蛍光灯照明器具の全光束(lm)」/「蛍光灯照明器具の消費電
  力(W)」です。
  (注:省エネラベリング制度で対象になっている電気機器:エアコンディショナー、電気冷蔵庫、電気
     冷凍庫、テレビジョン受信機、蛍光灯のみの照明器具、全てエネルギー消費効率を使用してい
     ます。販売されている照明器具にはエネルギー消費効率と固有エネルギー消費効率があり、
      消費効率算出に使用する全光束が光源の全光束なのが前者(蛍光灯照明器具)で、照明器 
            具の全光束なのが後者(LED照明器具)で 区別しています。)  
  2012年3月21日には、蛍光灯照明器具の固有エネルギー消費効率の測定JIS C 8020:2012が制定
    されています。
  制定されてから既に1年半も経過しましたが、一向に固有エネルギー消費効率を採用しないのが、
  この照明器具業界なのです。
  怠慢なのか、不誠実なのか、業界全体でやれば怖くはないと云うのか、それとも省エネラベリング制
   度に遠慮しているのか、いずれにせよ現行の蛍光灯照明器具規格は不当表示なのです。
  何故、不当表示なのかは、この業界の方々は充分お分かりでしょう。
  理由1:照明器具の正常な使い方による性能を正しく表す規格ではない。
  理由2:蛍光灯照明器具の全光束及びエネルギー費効率の規格値は、LEDシーリング器具規格値
               より優れた数値になっています。
             下表・表1をご覧下さい。購入者は、この数値をみて直感的に蛍光灯照明器具の方が優れて
               いると判断します。
1_2

             もし、蛍光灯照明器具も下表・表2のように全光束に照明器具の全光束を使用していれば、
      蛍光灯照明器具はLED照明器具よりも固有エネルギー消費効率が62.9/84.6=74%で、
             約25%も効率が劣ることが分ります。
           固有エネルギー消費効率の規格で表記すれば、LED照明器具の販売数が増え、より節電が
             進むと思います。
           固有エネルギー消費効率の規格を使用しないのは、
           a. 規格上の数値が下がることによる蛍光灯照明器具の販売数減の回避
           b. 改定(器具測定、HP&カタログ変更など)の費用
           のためなのでしょうか。非常に不可解です。

2    注1:どちらも10畳用ですから、照明器具の明るさは、LED照明器具と同じ明るさであるはずです。
   理由3:消費電力とエネルギー消費効率の数値が同じ製品なら、照明器具の明るさも同じになるか
               と云えば、照明器具のデザイン等の影響で同じになるとは云えません。機種選択が極めて
                困 難になります。
    理由4:蛍光灯照明器具とLED照明器具の規格の数値で、比較検討ができないようにしている。

3. 調色時の照明器具の明るさ
    「昼光色50%、電球色50%、昼白色100%方式の調色機能」や「昼光色70%、電球色30%、昼白
  色100%方式による調色機能」の付いたLEDシーリング器具が、調色3段、5段、10段と云って製造
    販売されています。
  (私は前者を50%方式、後者を70%方式と命名し、これを使っています。尚、昼光色100%、
  電球色100%、昼白色100%方式の調色は、100%方式としています。)
  50%方式や70%方式は、調色時実用的な明るさにすることができない調色方式です。
  昼光色・電球色の明るさは、定格寿命が来る前に既に昼白色(全灯時)の明るさの50%になってお
  ります、
  電球色の場合はお誕生日など部屋を暗くして雰囲気を楽しもうとする場合は役に立ちそうですが、
  昼光色では用途が違いますから暗くて全く役には立ちません。昼白色と同レベルでの明るさが必要
  なのです。
  使用して行けば、点灯時間と共に明るさは徐々に低下し、もっと暗くなります。表3をご覧下さい。
  昼光・電球色は、寿命時では標準の35%の明るさです。
  点灯していればよいと云うものではありません。        
Photo

   最近は、イラストによる調色システムの説明も削除し、調色の色と使い方のみの説明になり、明るさ
   の説明がなくなっています。それでも、この方式を調色できる照明器具として製造・販売を続けるの
     は、この業界に企業の社会的責任を果していると云えるのでしょうか、それとも忘れてしまっている
  のでしょうか。
   購入しても役立ちそうもない照明器具を、「調色できる。」とするだけで照明器具の単価を上げ、売上
   を伸ばそうとする経営は、購入者が目覚めれば、破綻します。
  
   また、調色時の明るさを定量的に示すことなく「調色できる。」のみを表示するのも、不当表示だと思
    います。
   まともな事業者になるために、そして消費者のために
     A)50%方式や70%方式を廃品種にする。
   B)調光のみ出来る単色(昼光色、昼白色、電球色)のLEDシーリング器具と100%方式の調色・調
      光機能付きのLEDシーリング照明器具で、2極化する。
   を推進しては如何でしょうか。

4. 省エネラベリング制度の省エネルギー基準達成率とエネルギー消費効率
   蛍光灯照明器具を省エネルギーすべき対象は、
   A)光源(蛍光灯の光出力「全光束」とその消費電力)
   B)点灯・制御等器具類の消費電力
   C)照明器具のデザイン等(樹脂カバーの材料、厚さ、色、反射率、光源取付け方法、光源取付け裏
        面の反射など)
  の3項目です。
  省エネラベリング制度(エネルギー基準達成率やエネルギー消費効率など)は、蛍光灯の全光束の
    向上と照明器具の消費電力削減に寄与し、成果を上げてきました。
    しかし、この改善により、照明器具の省エネ性(固有エネルギー消費効率)が向上したとは、必ずし
    も云うことはできないのです。
  ① 「蛍光灯照明器具のエネルギー消費効率lm/W」
          =「蛍光灯の全光束lm」/「照明器具の消費電力W」
  ② 「照明器具のデザイン等効率%」=「蛍光灯照明器具の全光束lm」/「蛍光灯の全光束lm」/100
    ↓
    「蛍光灯照明器具の全光束lm」=「蛍光灯の全光束lm」×「照明器具のデザイン等効率%」/100
   ③ 「蛍光灯照明器具の固有エネルギー消費効率lm/W」
          =「蛍光灯照明器具の全光束lm」/「蛍光灯照明器具の消費電力W」
          =「蛍光灯照明器具のエネルギー消費効率」×「照明器具のデザイン等効率%」/100
  上式③から解るように、
   たとえ蛍光灯照明器具の
   ①「エネルギー消費効率」が同じであっても
   ②省エネルギー基準達成率を達成していても
  「照明器具のデザイン等効率」により、照明器具の固有エネルギー消費効率は変るのです。
   済産業省総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会照明器具等判断基準小委員会は、
  省エネルギー基準達成率とエネルギー消費効率の算出には、省エネルギーに影響のある「照明器
    具のデザイン等」を入れるべきでした。
  別の云い方をすれば、算出に照明器具に装着する蛍光灯の全光束ではなく、照明器具の全光束を
  いればよかったのです。Photo_2   注1:蛍光灯の全光束なのか、照明器具の全光束なのかは表記されてはいません。
                装着される蛍光灯の規格から、蛍光灯の全光束であると推定。
   注2:10畳用LEDシーリング器具の標準定格光束は4,400lmです。どちらも同じ10畳用ですから
                蛍光灯灯照明器具も、LED照明器具と同じ4,400lmで設計しているはず。
  上表・表4をご覧下さい。
   これは、A社の10畳用シーリング器具の例ですが、「照明器具のデザイン等効率」≒59%で、照明器
  具のデザイン等が光源の全光束を約40%遮っています。
  例えば、照明器具のデザイン等効率59%を53%(10%低減)に改善できれば、固有エネルギー消費
  効率は62.9%×59/53=70%に向上するのです。消費電力は、70W×53/59=63Wに低減します。
  また、2項の原因は照明器具業界が自主的に照明器具のエネルギー消費効率と全光束の規格値を
  併記しないことが主因ですが、近因としては4項にもあります。
以上述べた1項~4項は、いずれも「昭和37年法律第134号不当景品類及び不当表示防止法」第4条に抵触すると思います。
① 照明器具製造販売事業者(不当表示と企業の社会的責任の欠如)
② 日本照明工業会(工業会の役割とは、何であるかを忘れている?)
③ 経済産業省(照明器具業界をミスリード)
④ 消費者庁(もっと積極的に不当表示の摘出・勧告・指導を)
は、1項~4項を悔い改め、正常な状態に戻して下さることを切にお願い申し上げます。

参考資料
昭和37年法律第134号不当景品類及び不当表示防止法
蛍光灯器具エネルギー消費効率と固有エネルギー消費効率の算出方法 JIS C 8020:2012
家庭用電気機器省エネルギー基準達成率算出法 JIS C 9901-2000
照明器具等判断基準小委員会 最終取りまとめ(蛍光灯器具)(案)
照明器具等のエネルギー消費効率及びその測定方法について(案)
現行の蛍光灯器具のエネルギー消費効率の測定方法

2013年10月 5日 (土)

自民党と公明党が、複数消費税率の導入で合意するには条件あり

「自民党と公明党が、複数消費税率の導入で噛合わず。」のニュースを見ました。
以前から、物品別消費税率、収入別消費税率やその他消費税確定申告制度(課税売上高1000万円以下の事業者の納入消費税、簡易課税申告制度など)、親会社と協力会社の消費税転嫁トラブルなどの諸問題の解決方法はないものかと模索していましたが、ITを活用すれば解決できるとみました。
その詳細を、ブログ名:白浜松翠雑記 タイトル:「消費税課税制度と納入制度は、ITで抜本改革を」(2013/05/10)に記しています。これを実現するには、プログラムの開発、IT化されたレジスターなどで、人と費用と時間を必要としますが、消費税の課税、納税に於いても、いずれは、IT化せざるを得ません。
ですから、自民党も公明党も、IT化することを前提にした複数消費税率の導入方法で合意することを願うものです。その点で、「消費税課税制度と納入制度は、ITで抜本改革を」は、お役に立つのではないかと思います。是非、一度お読み頂ければ幸いです。
また、この方式の導入により、IT産業の成長にも寄与し、第三の矢:民間投資を喚起する成長戦略の一つになるとものと思います。

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