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2014年2月

2014年2月 7日 (金)

蛍光灯照明器具の重要規格(明るさと消費効率)

家電用電気・電子機器の省エネ化で、省エネラベリング制度(JIS C 9901:2000 平成12年8月20日制定)が平成12年に導入されました。
表記すべきラベリング項目は
1.省エネ性マーク、
2.目標年度、
3.省エネルギー基準達成率、
4.エネルギー消費効率
の4項目ですが、この業界の事業者は、その中にある「エネルギー消費効率」をそのまま蛍光灯照明器具の規格にしてしまいました。
これにより、蛍光灯照明器具の規格は、
A)全光束=装着する蛍光灯の全光束(lm) 
B)エネルギー消費効率(lm/W)=「装着する蛍光灯の全光束(lm)」/「照明器具の消費電力(W)」となっています。
省エネルギーラベリング制度で定めているエネルギー消費効率は、省エネルギー基準達成率を算出するためのものであって、照明器具のエネルギー消費効率ではないのです。
上項のA)、B)から解るように、全光束の規格は照明器具の全光束ではなく、装着する蛍光灯の全光束を使用していますから、蛍光灯を天井から紐でぶら下げて点灯したときの状態に近い使用での規格なのです。
このような方法で照明器具を使用する人はどこにいますか。世界広しと、云えどもいないでしょう。
蛍光灯の全光束に基づく規格を表記されても消費者には全く役にはたたず、非実用的な規格なのです。
蛍光灯照明器具は照明器具なのですから、事業者は照明器具としての規格を定めて省エネラベリング制度にある省エネラベリング項目と共に併記すべきなのです。
蛍光灯照明器具も、LED照明器具も、用途は同じですから、併記すべき規格項目および規格条件は、LED照明器具と同一にすべきものであり(統一化すべき)、変える必要は全くありません。
照明器具としてあるべき規格は
1.全光束〓蛍光灯照明器具の全光束(lm)
2.固有エネルギー消費効率(lm/W)=「蛍光灯照明器具の全光束(lm)」/「蛍光灯照明器具の消費電力(W)」
です。
(注:省エネラベリング制度の対象になっている電気機器:エアコンディショナー、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、テレビジョン受信機、蛍光灯のみの照明器具、全てエネルギー消費効率を使用しています。
現在販売されている照明器具には、エネルギー消費効率と固有エネルギー消費効率があり、
消費効率算出に使用する全光束が光源の全光束なのが前者(蛍光灯器具)で、照明器具の全光束なのが後者(LED器具)です。)  
2012年3月21日に、蛍光灯照明器具の固有エネルギー消費効率の測定JIS C 8020:2012が制定されています。制定されてから約2年も経過しましたが、一向に固有エネルギー消費効率を採用しないのが、この照明器具業界なのです。
怠慢なのか、不誠実なのか、業界全体でやれば怖くはないと云うのか、省エネラベリング制度に遠慮しているのか、いずれにせよ現行の蛍光灯照明器具規格は不当表示なのです。
何故、不当表示なのかは、業界の方は充分お分かりでしょう。敢えて書きましょう。
理由1:照明器具の正常な使い方による性能を、正しく表す規格ではない。
理由2:蛍光灯照明器具の全光束及びエネルギー費効率の規格の数値は、測定条件等が  異なるとは
            云え、LEDシーリング器具より優れた数値になっています。
           下表・表1をご覧下さい。購入者は、この数値をみて直感的に蛍光灯照明器具の方が優れてい
           ると判断します。
12

            もし、蛍光灯照明器具も上表・表2のように全光束に照明器具の全光束を使用していれば、蛍
           光灯照明器具はLED照明器具よりも固有エネルギー消費効率が62.9/84.6=74%で、
            約25%も効率が悪いことは分ります。
            固有エネルギー消費効率の規格で表記すれば、LED照明器具の販売数が増え、より節電が
            進むと思います。
            固有エネルギー消費効率の規格を使用しないのは、
            a.照明器具の規格の数値が下がることによる蛍光灯照明器具の販売数減を回避
            b.改定(照明器具の測やHP&カタログ変更など)の費用の発生
               のためなのでしょうか。非常に不可解です。
理由3:蛍光灯照明器具で消費電力とエネルギー消費効率の数値が同じ製品なら、照明器具の明る
            さ(全光束)も同じになるかと云えば、照明器具のデザイン等の影響で同じになるとは云えませ
            ん。蛍光灯照明器具でも機種選択が極めて困難になります。
理由4:蛍光灯照明器具とLED照明器具と、規格の数値で比較検討ができないようにしている。

LEDの寿命4万時間の数字で製造・販売事業者に踊らされている

LED製品の出始めの頃は、「LED、高価で省エネ、長寿命」でしたが、今では、「購入者、いつまでも明るいと思うなLED」です。
我々消費者は、製造・販売事業者に「40,000時間」の数字で踊らされています。
具体的な例として、或る会社のLEDシーリングライトの広告を紹介しましょう。
広告の内容は、「LEDランプの寿命は40,000時間、長寿命のLEDシーリングライトです。1日10時間の点灯で約10年交換不要です。」です。(≒40,000/(365×10)
この会社は、実用的使用可能時間は寿命時間よりも短いのにも拘わらず、10年も交換せずに使えると広告しているのです。別の云い方をすれば、男性の寿命80歳と元気に快適に働ける年齢は同じであると云っているようなものです。
この会社の10年交換不要は、他社製品より優れている印象を購入者に与え、明らかに景品類不当表示防止法第4条2号に抵触すると思います。
(注:画期的なLED用樹脂でも発明しない限り、10年交換不要は不可能です。)
この40,000時間は照明器具の明るさ(全光束)が光束維持率70%になる時間で、明るさは点灯時間と共に徐々に低下して、40,000時間目には初期に対し30%も暗くなっているのです。
この30%減の明るさは、実用的な明るさであるとは云えません。この明るさのレベルは 4.5畳用照明器具を8畳の部屋で使用するような明るさです。交換しなければ、暗くて使用出来ません。
使用する側からすれば、40,000時間は寿命であって、実用的照明可能時間は8畳用で 18,000時間位、10畳では15,000時間位だと思っています。
(注:実用的照明可能時間とは、「暗めの明るさ」になるまでの時間で、全光束が時間に対しリニアで低下すると仮定し算出した時間です。)。
寿命と実用的使用可能時間に大きな差があるのですから、事業者は、『40,000時間の頃でも点灯しますが、初期の明るさの30%も暗くなりますよ。「暗めの明るさ(注)」の明るさでも必要でしたら、何回かはLEDではなく照明器具そのものの交換が必要となります。』と啓蒙・説明・表記し、寿命時間と実用使用可能時間を規格や広告で明確に使い分けるべきです。
(注:「暗めの明るさ」とは、畳数によって異なりますが、4.5畳では標準定格光束の82%、10畳では89%、14畳では91%です。部屋の広さと共に変わります。
下表「明るさのレベル(シーリング器具)」を参照して下さい。)
                           [明るさのレベル(シーリング器具)]
  Photo_6

                            [明るさの減衰と器具交換回数]
照明器具の明るさ(全光束)が、点灯時間に対して直線的に低下して行くと仮定した場合
(注:全光束の時間に対する減衰曲線が、公開されていないので直線的減衰と仮定) 
点灯時間=H=(100-L)×40,000÷30
標準定格光束に対する明るさ(全光束)の率(%)=L=100ー(30×H÷40,000)
 
A) 8畳用
  a)暗めの明るさ(3,300/3,800=86.8%)になる迄の点灯時間は、17,600時間です。
      交換回数〓40,000÷17,600≒2.3回
    b)30%減の明るさ(2,660lm) は、4.5畳用を8畳の部屋で使用するような明るさ。
B) 10畳用
    a)暗めの明るさ(3,900/4,400〓88.6%)になる迄の点灯時間は、15,200時間です。
        交換回数=40,000÷15,200≒2.6回、
    b)30%減の明るさ(3,080lm)は、6畳用を10畳の部屋で使用するような明るさ。

皆さんも、事業者に踊らされることなく、照明器具の性能を定量的に分析し、照明器具を選択しましょう。そして、皆さんも事業者等に改善を要望しましょう。

                                                                                             [参考]
LEDの寿命時間は、光束維持率が70%(L70)になる時間と定義されています。
蛍光灯の寿命は光束維持率70%となる時間で、寿命時間は6,000時間~21,000時間位です。条件が同じでないと寿命を比較できませんから、LEDも、蛍光灯に合せて70%としています。
それでは、蛍光灯は何故70%なのでしょう。
光束維持率=70%の時点で、蛍光灯がちらつき、部分発光、黒化などが発生し使用出来ない状態になりますので、70%としています。

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